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HU VISION 2030

1.HU VISION 2030とは

 大学発のイノベーションが、社会変革の牽引力となることは、欧米における数々の成功例がこれを実証してきました。今、この瞬間も、大学発のイノベーションは、現在進行形で世界を席巻しています。これに対して、日本の大学においては、優れた研究があるにもかかわらず、これを社会実装させるメカニズムが不十分でした。あるいは、基本的に、イノベーションを生み出すための大学の構造改革が欠けていたかもしれません。これが、失われた30年の大きな要因の1つでした。

 私は、大学自身のイノベーションは、科学技術における教育?研究の卓越性 "Excellence"と、教育?研究を社会に広げ地域課題を解決する社会展開力 "Extension"の2つの要素からなると考えています。日本の大学は、かつてExcellenceにおいて欧米と肩を並べていましたが、Extensionのメカニズムが脆弱でした。その結果、ExcellenceExtensionの2つのエンジンから人材と収益という果実を生み出し、その果実が次のExcellenceExtensionを生み出すという好循環?エコシステムの醸成が、日本においては遅れました。

 これが、本学を含めて日本の総合大学が欧米の大学の後塵を拝することになった一因です。今、我が国の成長戦略の中で、「科学技術?イノベーション」が重要な成長エンジンと位置づけられています。大学と社会との協働によるイノベーションの創出、言い換えれば、ExcellenceExtensionの統合を社会は強く求めています。

 2014年に本学が定めた「北海道大学近未来戦略150」は、ターゲットイヤーを2026年に定め、北海道大学のビジョンを提示してきました。今回、上記のような大学のイノベーションに関する自己分析や社会の期待を受け、HU VISION 2030は、その4年先の2030年をターゲットイヤーとして、"Excellence"
と"Extension"を明確に可視化し、その統合による好循環?エコシステム創成への北海道大学の中期的ビジョンを示すものです。

 

2.北海道大学が目指す "Excellence and Extension"

1)北海道大学のアイデンティティ

 ビジョンを考える時、「アイデンティティ」の確認は必須です。歴史的背景、地理的な特性の再確認によるスタート地点の確認がなければ、明確なビジョンを考えることは不可能です。

 北海道大学の起源は、1876年に設置された札幌農学校に遡ります。その設置の背景には、当時の政府が強い意志のもと、寒冷地における農業技術の開発と人材育成を行うことを目的とした経緯があり、日本の大学でも際立った成立上の特徴を有しています。本学はこの特徴を基盤として、北海道の広大な土地に唯一の総合大学として発展し、他に類を見ない個性を形成してきました。

 その結果、①世界最大級の研究林と豊かな海洋研究に代表されるフィールド研究、②世界最先端をリードする複数の卓越研究、③地域課題解決を目指す社会展開力、④SDGsに繋がるサステイナビリティの考えを大学創成期から持っていたことなど、極めて個性的な強みが醸成されてきました。

 北海道大学は、このアイデンティティを、ExcellenceExtensionという2つの軸の座標系で捉え、好循環?エコシステムを創成し、150年の歴史の中で醸成されてきた比類なきアイデンティティを次の150年に向けて大きく飛躍させることを目指しています。

 

2)Novel Japan University Model

 ExcellenceExtensionは、重なる部分もありますが、むしろ直交する座標軸と考えられます。例えば、研究におけるExcellenceは、ディスプリン駆動型(学問駆動型)であり、世界的に確立されている研究計測指数であるTop10%論文比率などで測定されます。これに対して、研究におけるExtensionは、イシュー駆動型(課題駆動型)の研究であり、その成果は、必ずしも、グローバルな研究力指標では測定されません。むしろ、社会課題の解決やSDGs達成への貢献、スタートアップ数などの社会的インパクトでその成果が測定されるものです。

 HU VISION 2030は、このExcellenceExtensionの好循環?エコシステムを創成するための先導的取組の指針を示すものです。

 HU VISION 2030を実現することで北海道大学が目指す大学像は、世界の課題解決から大きな社会的インパクトを生み出す新しい日本型の大学モデル「Novel Japan University Model」と考えています。

 Novel Japan University Modelとは、従来の日本の国立大学の取組を大きく超えるレベルで、国際社会?地域社会との連携を格段に強化し、協働による社会的インパクト?イノベーションを生み出す新しい公共財であり、経営体としての日本の基幹総合大学を意味します。そして、HU VISION 2030によるNovel Japan University Modelが目指す社会は、持続可能性の追求を基盤として、①地球、②社会、③人間という3つのフィールドにおいて、大学が教育?研究?社会共創を展開し、この3つが揃って初めて実現するWell-being社会です。

 このHU VISION 2030では、2030年に向けた北海道大学の先導的取組を創案するための基本的方針を
1.教育、2.研究、3.社会との共創、4.国際協働、5.ダイバーシティ、6. ガバナンス、7.財務基盤、8.持続可能性の追求 の8つの観点から、解像度を上げて提示します。

北海道大学は、2030年に向けて、HU VISION 2030を通して、Novel Japan University Modelを確立し、世界共通の目標である「持続可能なWell-being社会」の実現に向けて力強く歩みます。

第20代北海道大学総長 寳 金 清 博

HU VISION 2030